works in 2024

2024/12/30


Photography by Jun Yokoyama

 2024年も無事終了…が近いということで例年恒例の仕事まとめです。諸々書き足した場合はタイトル下に付記していきますが、一旦こんな感じで。2024年は2020年以降上がったり下がったりが続いた世間のムードがはじめて1年通してひと段落していた1年だったのではないでしょうか。まあ自分は今年コロナにもインフルにも罹り、イベント主催の皆様には迷惑をおかけしたりもしたのですが。
 自分的にはようやく気分的に普通にライブ・ツアーを回る気になり、DJでもライブでも全国通して周回できたのは非常に良かったです。メジャーデビュー10周年イヤーということで昨年から続いていたtofubeatsパーフェクトイヤー(笑)も最後は藤井・森高さん両氏を迎えてガーデンホールで締めくくることができました。  
 とはいえ日々は同じように続いており、ぼちぼち同じことをしっかり続けていくことがこういう日のために大事だとは思うのですが。まぁそんな感じで今年のぼちぼちやってきた物たちを振り返っていきたいと思います。


tofubeats名義の作品


NOBODY

   
 DJではハウスをプレイしているのにソロ作ではそういう楽曲が少ないよねという問題意識がTBEPの頃にあり、ああいった雰囲気に寄っていたのですが、コロナで中座、今年はコロナやインフルには再度罹りつつもそういう感じでイベントが中止になったりすることはなく、久々にフル稼働に近い1年だったのではないかと思います。というわけで制作のムードもその流れにようやく戻ってきました。当初の打ち込みメンバーとの共演が多かった時期を経てコロナ期にかけてはだいぶHIPHOP界隈の皆さんとイベントなどでは近かったと思います。個人的には今年のPOP YOURSを区切りにまたダンスフロア回帰的なことができればなとは思っていて、年末のTB DJ REMIXESやツアーもそうですが、そういう雰囲気に全体の流れを戻せたのは今年の目標がちょっと達成できてよかったなと感じています。最近自分が歌っている時間が長いなと思うことが多かったのですが、Synthesizer Vを使うことで歌心とある意味インスト的な雰囲気の両立ができたので、非常にあのツールには救われました。
mimoidさんによるタイトル曲およびリードシングルのMVも良い感じ、ぜひどうぞ。





難聴ダイアリー2022


 書籍「トーフビーツの難聴日記」の後も続けていた日記、出しどころは決まっていなかったのですが神戸に帰省した際に旧グッケンハイム邸の塩屋的印刷を見学し、ここでZINEでも刷ってもらうかと制作を開始。もう日記をこうして世間に開陳することに疑問を感じなくなっている時点でヤバイ大人の仲間入りですが、様々な書店様にお取り扱いいただき、久々に直卸の快感も味わっています。レコード店以外の商店の皆様と取引させていただけるのも今年の楽しみの一つでした。2023のほうも編集にそろそろ入っていかねば…
 あと本編に唯一の写真として掲載した写真をTシャツとして発売もしております。謎の商品ですが体温上昇が危ぶまれるここ最近、願掛けにでもどうぞ。

難聴ダイアリー通販および取扱店一覧はこちらより



TB DJ REMIXES


 昨年のメジャーデビュー10周年といいもろもろひと段落することも多く、企画盤として長年出したかったDJ用バージョンをフルアルバムとして配信。現場で結構長いことブラッシュアップしていたものも多いので、リスニング用途だけでなくDJ諸氏の皆様もぜひ。I Beleive in YouやSTAKEHOLDERは再録に近いやる気を見せております。




DJミックス等


VISION DJ MIX

 もうなくなってしまいましたが渋谷のクラブVISIONの名前を冠したミックスシリーズにミックスを提供。今年謎に掘り返していたワード「J-CLUB」を紐解く一つの回答として、まあどっちかと言えばジャパニーズハウスと言う方がしっくり来るのですが、そんなミックスを提供しました。ゆったり聞けるミックスですのでぜひ。


HIHATT DC RADIO

 J-CLUBの掘り起こしを端緒にHIHATTのYouTubeチャンネルに気軽な感じでミックスをアップしています。年内にもう1本上げたかったのですが思いの外忙しく叶わず。



外仕事


MFS - Combo

 シングル版のみマスタリングさせていただきました。その後の「Don't」はプリプロ作業をHIHATTにて行っていただきました。簡単なボーカルレコーディングやミックス作業も弊社承っておりますので(繁忙期を除く)、そんなオファーもお待ちしております。

TOYOTA YARISシリーズ CMソング

 ゴダイゴ「モンキーマジック」のカヴァーを卓球さん、PUNPEEさんと共にやらせていただき、YARIS3車種と掛けてメドレーにするという企画。自分のパートはYARIS無印。VOにUAさんを迎えていただき豪華な仕上がりになりました。2025年も延長して放映されていくそうです。嬉しいですね。


yama - ブルーバード cover

 いきものがかりさんのカヴァー企画にお声がけいただきyamaさん歌唱「ブルーバード」のオケ制作。原曲はNARUTOの主題歌ということでHIPHOPに多数サンプリングとかされてるので、本家企画でやっちゃおうということでドリル風味に。


mindboi - Hope

 大阪在住のラッパー、マイドリ改めmindboiくんのトラックをプロデュース。レーベルはカクバリズムより。爽やかな見た目と裏腹になかなかハードな生い立ちで、そんな彼の自伝的な1曲です。エピソードをリリックに落とし込む時のアドバイザー的な役割でイルリメさんも参加。


VIGORMAN - Keep on Dancing (tofubeats Remix)

 VIGORMAN氏からオファーがありリミックスで参加。原曲よりさらに引き算してfunk風味に。

BACARDI RECORDS - Thrilling Moves feat. Aile The Shota (Blended by tofubeats)

 昨年から引き続きのBACARDIさん企画。BMSGのAile The Shotaくんとの共作となりました。インタビューでも話しましたが数個渡したトラックからこれを選んでもらえて嬉しかったです。ライブでやることとか一切考えず作ったのでなかなか大変かとは思うのですがライブなどでも披露してもらえているようで嬉しいです。


BIM・Skaai・田我流・BOSE - RASEN

 2022年公開のRedBull企画「RASEN」をPOP YOURSに合わせてリリースしていただきました。何度聞いても田我流さんがECDと言っているのを聞くとアガってしまう…

安田謙一 - 神戸、書いてどうなるのか 解説

 安田さんの神戸にまつわるエッセイ本がなんと文庫化。文庫化に際しての増強に恥ずかしながら現在はもう都内在住の私が解説を書くことに。神戸について詳しく書く資格は失い始めておりますので、「ジモト」と言う言葉、そして自分にとってのレペゼン観について書かせていただきました。手軽に読めますのでぜひお手に取ってみていただけると嬉しいです。


AXE - 気分一新AIソングスタジオ

 AXEさんの施策で、気分一新したいシチュエーションを打ち込むと、それに従って歌詞が自動で生成され、オケに歌が乗った状態で出力されると言う驚きのプロジェクト。楽曲の制作およびメロディラインの作成で参加しました。

tofubeats x 梅田サイファー - Flame in my hands

 すでに公開終了してしまいましたが、STREET FIGHTER × auのコラボ企画のキャンペーンソングを制作。tofubeatsは作曲で参加。過去の膨大なSEやキャラボイスもいただき、楽しく制作させていただきました。

パソコン音楽クラブ - ゆらぎ feat. tofubeats

 長年一緒にやらせてもらっているパソコン音楽クラブの新譜に参加させてもらいました。トップラインもお二人ですが作詞が自分だったので言葉尻の調整などでちょっとだけメロディラインも触らせてもらいつつ制作。アルバムのテーマは「Flutter」ということで自分的に導き出してみた作詞がこちらです。   
 STAKEHOLDERのMVでもお世話になった山口さんが監督ということで、一瞬既視感のある素材もMVに登場しています。書き下ろしのボーカル新曲が今年ほとんど無かったので、ライブでもたくさん歌わせてもらいました。ありがとうございます。


柴田聡子 - Reebok tofubeats remix

 年初にブートレグで「SIDE STEP」のブートなどを作っていたのですが、そんなアピールが功を奏して(?)オフィシャル・リミックスのオファーをいただきました。柴田さんの詩と仕事として向き合ってみるとその奥行きに改めて驚きました。すごい歌詞が書ける人はやっぱすごいんだよな、と思うことが今年何度かあり、そんなことを噛み締めながら作業。原曲より「雨」感みたいなものを出すことを意識しました。7インチにもしていただいて嬉しいです。


tofubeats、VaVa、高比良くるま - 交差点

 Tinderの企画で渋谷でフェスが行われるということで、そのテーマ曲を制作。自分はトラック制作のみでトップラインや歌詞はVaVaちゃん、くるま氏が書いてくださりました。披露のライブは台風で中止になってしまったようで、それは残念でしたね。M-1チャンピオンに弊社名をシャウトしていただいているので、縁起物として扱っていきたいと思います。


TOWA TEI - TYPICAL feat.TAKKYU ISHINO (tofubeats BOOT remix)

 京都で行われた卓球さんテイさんとの3マンDJイベント「TTT」でTYPICAL!が突如ドロップされ、そのフックのヤバさにおののいたのですが、せっかくTTTでやってるんだし、自分がリミックスをすれば本当にTTTの音源になるのでは…?と厚かましくステムをお願いし作らせていただきました。結果リリースもしていただいて本当に嬉しかったです。今年はコロナ禍以降久々にフル稼働に近い1年だったと思うのですが、そんな中本当に「使える」感じを目指しました。DJの皆様ぜひ使うてください。


KEIJU - backseat feat. Kvi Baba / tofubeats

 今公開されているKEIJU&Kvi Babaの全てのバースが乗ったデモが届き、これに参加してください!と言われたときはめちゃくちゃびびったのですが、アウトロを締めくくる存在として参加。完全に青天井を突破するくらい走り抜けているKEIJUにこうして声を掛けてもらえるのはありがたい…いやしかし何をすれば良いんや?ということでスクリューパートを提案。結果採用されてこの仕上がりになりました。BLさんと間接的に仕事で関われたのも嬉しかったです。本楽曲のフルメンバーでの初披露は有明のガーデンシアターで行われ、LONELY NIGHTSとともにBlu-Rayにも収録していただきました。知っている人が着々と大きいところでやるようになっていて驚くことばかりです。そして最近こんなことばかり書いている気がする…


uku kasai - 製図 feat. tofubeats

 HIHATT8周年イベント時にオファーをいただきコラボすることに。オケ、ボーカル両面で結構何度もプロジェクトを打ち返しあって制作するのは何気に久しぶりでそもそもそういう制作が楽しかったです。程よい引っ張り合いを経て良い感じにバランスした楽曲になったと思います。ぜひ聞いて欲しいです。


AKIO KUMAGAI - Sweet Sea Love (tofubeats Original KR version Remix)

 2つの意味でJ-CLUB案件、AKIO KUMAGAI氏の「SWEET SEA LOVE」にリミックスで参加させていただきました。"原曲は2002年に韓国で数枚だけリリースされた楽曲だが、データが現存していない"はずなのになぜかtofubeatsはデータを持っていた!まぁ、そういうことです!

soakubeats - fermata feat. tofubeats & onnen

 soakubeatsさんのアルバムにラップで参加させていただきました。粗悪さんから届いたテーマが絶妙で、それを表現できるように頑張って見たつもりです。CDおよび配信はデータ販売限定の模様。ぜひチェックしてください。


イベント出演


Photography by Koichiro Funatsu

huez presents ENTERTAINMENT

 ライブのレーザーやVJなどでも長年お世話になっているhuezさんのイベントに出演。この日のライブセットからNOBODY以降の雰囲気に明確に切り分けていこうと意識した日で、ライブセットの標準ミキサーもアレヒのXONE:96に変わりました。Roland MX-1をやめて以降ステム出しをするのに何の機材を使うのか長年悩みながらインターナル・ミックスのライブセットを磨いていたのですが、この日以降少しづつエクスターナルミックスに回帰します。と言いつつこの日もインターナルでやってますが…。2025年はXONEで続投するかDJM-V10にするかでめちゃくちゃ悩んでます。羽田のライブはどっちになるのでしょうか。



NOBODYツアー

 東京・大阪・福岡と3ヶ所のDJツアー。各会場90分以上のDJセットで色々と試せて楽しかったです。このツアーに掛けて&対応するようにDJ用エディットが改めて諸々仕込まれていきました。厳密にはその前後のSOCORE FACTORY10周年やunBALANCED、金沢での出演も(今年は金沢や仙台にひさびさに行けたのがとても嬉しかった…)テンション的には通じていて、それも楽しかったです。



Photography by Koichiro Funatsu

中国ツアー

 2019年に最後に上海のフェスに出たぶりの海外公演は再び中国上海より。体調の関係であまりやっていなかった海外公演をそろそろやるかと2019年に動き始めた矢先のコロナで、よくよく考えたら2019年-2020年は客観的に上京、TBEPの制作開始に結婚と無意識にですがかなりやる気に満ちていて、そんなムードの出鼻をくじかれていたことを後々になって気づく2024年でした。新スタッフ船津くんの参加によりこういった動きができるようになったのも2024年の嬉しいニュースでした。



JAPAN TOUR 2024


 中国やったしJAPANだろと冗談半分でネーミングされた久しぶりの公称全国ツアー。そもそも全国ツアーをする予定ではなかったのですが、ひょんなことからmoleでライブをやらねば!と思うようなことがあり、札幌でいきなり1公演するのも変だよなということで全国ツアーに横展開。普段から全国ツアーをふんわりやっているようなものなので改めて打ち出してやるのはひさしぶり。これまでのイベント通り有限会社申し訳改め有限会社J-CLUBさまと二人三脚で全国5会場。新譜のリリースも無く、東京・大阪公演以外はリアルソロ公演でしたが全て金曜の開催にも関わらずほぼ全会場ソールドアウトで締めくくることができ、2025年のZepp Hanedaへと続くことができそうです。自分的には各会場ゲストを呼ばずソロで長い時間しっかりやるといった目標もそれなりに達成できたのではと思っています。
 ご来場の皆様および来てみたいと思ってくださったみなさまありがとうございました。来年もどこかでお会いしましょう。
 また、ひさびさにフルラインナップで生産した新マーチャンダイズも通販で購入可能。ぜひどうぞ。



unBALANCED

 岡山YEBISU YA PROでの不定期レギュラーunBALANCED、本年は1度のみの開催となってはしましましたが、昼の長谷川白紙くんとの2マンから楽しく夜も遊べました。この箱でしかできない謎にノビノビしたプレイというものがあって、本当に不思議です。



Technics Cafe Kyoto

 京都テクニクスカフェさんの企画でめちゃくちゃ久しぶりにレコードでDJ。祇園祭の期間ですごかった思い出も。ぼちぼちレコードは購入してますが正直全部データ化してUSBでプレイしている薄情者なので昔処分してしまったレコードバッグを買い直すところから始めました。さながらDJ初心者に戻った気分…




Photography by Koichiro Funatsu
 


その他


THREE THE HARDWARE

 自分だけがライフワークと思って疑っていないTTHWですが、本年はコロナ以降久しぶりの本格ロケのシーズン6で開幕、昨年から続いたシーズン5は本年まるごと続行のまま年跨ぎ(5-10から5-16までが2024年公開)、実は12月にはシーズン7のロケも敢行、先日無事終了いたしました。自分がキャリアを重ねれば重ねるほど無意識に若手に掛ける重圧が上がってしまう難しさがあるなと思いつつ、なんとかして楽曲が出来上がっていくミラクルな瞬間を今後も記録できるように努めたいところです。シーズン6のratiffの苦難の末のミラクル、シーズン5の各アーティストのDTM環境や進め方の違いなど、どれを見ていても面白いです(自分が)。主にHIHATTの収益は本企画に、私の余暇は本企画の編集に注入されておりますので、ぜひご賛同いただける方は動画の視聴やHIIAHTT関連商品のサポートをお願いいたします。tofubeatsの本業逼迫につき、編集などのスタッフももしかすると本当に募集をし始めるかもしれません、しかし編集をするのが自分の趣味なのでこれは自分でやりたい、板挟み状態の社長です。
 それはさておきシーズン6だけでも結構な長さですので年末年始の暇つぶしに好適です。ぜひどうぞ。


七夕会議2023

 オノマトペ大臣が赴任先の仙台でMBAを取るべく経営大学院に入学…と言う噂は聞いていたのですが、一緒にレクチャーに登壇することになるのは予想外でした。今年はSHAFTといい久々に仙台に数度訪問することができたのは嬉しかったことの一つです。2025年以降はライブでもどうにかお伺いできるように頑張ります。

東京大学生産技術研究所 豊田啓介研究室 レクチャーシリーズ2024 第4回

 昔WIREDのイベントだかで知り合った豊田さんにお声がけいただき東京大学にコマモぶりに足を踏み入れることに。前のめりな学生さんたちに囲まれて本当にありがたい時間でした。こういう学際的な取り組み、見るのも出るのも好きなので非常に楽しかったです。

「渋谷キャスト7周年祭」関連特別企画:若林恵×tofubeats「発注向上委員会」立ち上げ!?記念トークイベント

 君は知ってるかい?「発注向上委員会」を…というわけで、黒鳥社若林さんがWIRED時代に実現できなかった「発注」特集を読みたい読みたいと自分が言っていたら取り込まれてしまった形の「発注向上委員会」。テスト的に?トークイベントが渋谷CASTで行われました。2025年はさらに動きがあるはず…!?
CINRAによる当日のレポートはこちら


Photography by Koichiro Funatsu



TB DJ REMIXES tofubeats new EP NOBODY